土とともに ‐食の未来は土とともにある‐
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今や多くの方が気にかけるオーガニック。でもオーガニックってなんでしょう。「人や環境にやさしい?」「安全で安心?」そんなイメージをもつ方もいると思いますが、実はそれ、オーガニックの一面でしかありません。
国際NGOである国際有機農業運動連盟(IFOAM)は、オーガニックの原則として「健康」「生態系」「公正」「配慮」の4つをあげています。根底にあるのは、命や健康はそれ単体では成り立たず、人、動物、植物、微生物、地球などすべてが互いに影響をし合いながらつながっているという考え。そのため、人を含めたすべてのものを公正に扱い、全体としてより良く生きられるよう配慮された技術を使うことを求めています。日本の有機JASも同様で、短期的な生産性や効率を優先するのではなく、自然環境やほかの動植物に配慮しながらどのように栽培、生産されたかという過程や方法の認証です。
世界的にオーガニックが注目されたのは20世紀半ば。19世紀からの大量生産・大量消費によって、化学肥料や農薬に頼る農業が増え、一方で環境汚染や人の健康被害が深刻な問題となりました。そこで環境も健康も守るため、昔ながらの農法(オーガニック農法)に回帰する動きが起こり、1972年に前出のIFOAMが設立されたのです。日本でも、みどりの食料システム戦略として、2050年までに耕地面積に占める有機農場の割合を25%にすることを目指すなど、オーガニックへの取り組みが強化されています。
オーガニックが共通して目指すのは、自然を守り、適切な労働環境や社会を実現して、人や動植物、微生物も含めた未来の命を守ること。“すべての命が幸せになる仕組み”です。有機農業を行い、オーガニックの商品を買うことは、自分の健康を守る以外に、そうした仕組みに賛同することにもつながるのです。未来の安全な食とともに環境を守り、命を循環させる仕組みを実現したい、だからワタミは有機農業に取り組んでいます。
世界では食品以外にも衣服や化粧品、ビオホテルと呼ばれるホテルなどにオーガニック認証が行われています。「ホテル?」と思われるかもしれませんが、提供される食やアメニティ、施設の建材、エネルギー、従業員の働く環境などを評価して認証が与えられています。それこそオーガニックが“もの”ではなく、どのように作られるかの“過程”を大切にしている証です。