土とともに ‐食の未来は土とともにある‐
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稲穂で埋め尽くされた金色の田んぼや、作物がたわわになった畑。30~40坪の田んぼからは大人ひとりが年間で消費するお米が採れるといわれるなど、人が生きるために欠かせない実りがそこにはあります。でも、そればかりではありません。田畑にはたくさんの生物が棲む豊かな生態系があり、重要な役割を担っています。
一方で日本の耕地面積は昭和30年代に比べると3分の2近くまで減少し、反対に耕作放棄地は年々増加の傾向にあります。耕作放棄地とは、現在耕作が行われていない、あるいは近いうちに耕作する予定もない放棄された農地のことですが、その影響は単に作物が作られないことにとどまらないのです。
日本の耕作放棄地は東京都の面積の約2つ分!
※農林水産省「農林業センサス」より。東京都の面積を約21.9万haとして算出。
田んぼや畑が放棄されると、影響は社会全体にまで及びます。
人の手が入らないため、雑草は生え放題で害虫も大繁殖。周囲の農地の迷惑になるほか景観も悪化します。
シカやイノシシの活動の場となり、ほかの畑の作物を食い荒らすことも。目が行き届かず不法投棄の温床にもなります。
手入れされた農地は水をため込む役割がありますが、放棄され土が固くなった畑は保水機能を失い、災害の一因ともなりえます。
作物の栽培をしないため、食料自給率は低下。さらに土壌が荒れ果てると、農地へ復活させるのも難しくなります。
農地には食料を作る以外にも、さまざまな機能があります。しかし完全に荒れ果ててしまうと、もとの恵みある農地に戻すのに、膨大な手間と長い期間が必要になります。
安全安心な食材を提供したいと有機農業を始めたワタミですが、企業農業のモデルを作ることで日本の農業を守り、ひいては食料自給率を上げることにもつなげていきたいと考えています。
※農林水産省「農業構造動態調査」より。