土とともに ‐食の未来は土とともにある‐
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ごはんやパン、肉に魚、さまざまな野菜が並ぶ私たちの食卓。一見するといろいろなものがそろい、豊かそうですが、実はその食べものの大部分は、日本で作られていないことをご存じでしょうか。
下記の数値はそれぞれの日本の食料自給率。国内産だけにするとほんのわずかしか口にできなくなるのです。
農林水産省によると、日本の食料自給率は減少の一途をたどり、2020年にはカロリーベースで38%しか自給できていません。日本が国産品だけで食事を作ると、肉もパンも、大豆製品も食べられるのは少しだけ……。日々の食事もままならないのです。
では不足した食べものはどうしているかというと、海外からの輸入に頼っています。今は世界中から安く農産物を大量に仕入れることができているため、それで問題ないように思われるかもしれません。ですが、世界の人口は50年前に比べて倍以上に増えています。2050年には90億人を突破するともいわれ、それだけの人が食べる分の食料が必要になってきます。一方で世界の農地面積は、ここ何十年もほぼ横ばいです。土の管理を怠った農作物の栽培により荒廃し、栽培が不能になった土地も増えています。一定面積あたりの収穫量を増やす工夫もされていますが限界はあり、世界規模での食糧危機が懸念されているのです。
食料危機は遠い未来の話ではなく、現実に起こりつつある問題です。異常気象や農産物の病気が世界規模で発生したら、国際情勢や世界的なパンデミックにより食料を輸入できなくなったら、私たちはあっという間に食べるものに困ることになるでしょう。いま当たり前のように安く輸入している食料が、この先も輸入できるとは限らないのです。
……少し恐いですよね。日本の農業を守ることは、日本を考えることにもつながります。持続可能な農業のあり方を考えながら、ワタミは農業に取り組んでいます。
フードマイレージとは、食品の産地から食卓に並ぶまでの輸送にかかった「距離」×「食品の重さ」で表される指標のこと。食品の輸送には船や飛行機、トラックなどが使われるため、たとえば輸入品などはフードマイレージの値が大きく、その分だけCO2が発生し、環境への負荷が高い状態です。反対に地元で作られた食べ物を地元で消費すればフードマイレージの値は小さく、CO2の削減にもつながります。“地産地消”は鮮度がよいだけではなく、環境にもやさしい取り組みなのです。