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ワタミオーガニック新聞 
第11回Newspaper

小さな虫も、栽培の助けになっています

小さな虫も、栽培の助けになっています

有機栽培の畑には、いろいろな虫がいます

 有機栽培の畑に、入ったことはありますか? 一見、作物だけが並んでいる畑でも、そこにはテントウムシやミミズなど、実に多くの生き物がいます。虫が苦手な方もいるかもしれませんが、植物にとって多くの虫は、健やかに成長し、子孫を残すためになくてはならない存在です。

ミツバチ

ミツバチ
植物の受粉を助ける、花粉の運び屋の代表格。近年は、ミツバチの減少による農業への影響が懸念されています。

テントウムシ

テントウムシ
野菜についたアブラムシなどを食べる畑の味方。ただ種類によっては、葉を食べてしまうものもいるので注意。

ミミズ

ミミズ
良い土かどうかのバロメーターでもあるミミズ。土づくりに活躍するだけではなく、虫や鳥のエサにもなります。

カマキリ

カマキリ
大量発生すると困るバッタなど、大型の虫も食べてくれます。益虫を食べることもあるので、増え過ぎには気を付けます。

 虫の役割のひとつは、花粉を運ぶこと。植物は虫に蜜などを与える代わりに花粉を運んでもらい、そのおかげで受粉をして子孫を残します。2つ目の役割は、新しい土を生み出すこと。ミミズなど土にいる虫は、ほかの生物の死骸や枯れ葉などを食べて分解しています。そして3つ目の大切な役割が、生態系のバランスを整えること。植物の葉を食べてしまうアブラムシを、テントウムシという天敵が食べるように、自然界では特定の虫が増え過ぎないよう、バランスが取られているのです。

虫がいなくなると生態系が崩れます

 作物に虫を付けたくないと、殺虫剤を使うとどうなるでしょう。一瞬は虫がいなくなりますが、生態系のバランスが崩れて、かえって特定の虫が大量発生し、さらに多くの殺虫剤を使うことにもつながります。

 農業は人の手で世話をしますが、虫の働きや自然の力も借りて成り立つもの。ワタミファームでは、自然の力で生命を育む環境を作り、負荷をかけずに土地の力を維持することで、持続可能な農業を目指しています。

一寸の虫でも、その働きは目覚ましい!
土や生態系を豊かにするため、虫たちには大切な役割があります

 

花粉を運び、受粉の手助けをする
1 花粉を運び、受粉の手助けをする

植物が花を咲かせるのは、虫を呼び寄せるため。植物は、花の蜜などを取りに来た虫の体に花粉を付着させることで、子孫を増やす手助けをしてもらっているのです。

枯れ葉などを分解し土をつくる
2 枯れ葉などを分解し土をつくる

土の中の虫は、微生物と協力して、生き物の死骸や枯れ葉などを食べて分解し、フンをすることで新たな土を生み出します。豊かな土はこうしてつくられていくのです。

特定の虫が増えないようにする
3 特定の虫が増えないようにする

自然界では、何もしなくても特定の虫などが増え過ぎないようにする構造があります。害虫とされる虫にも必ず天敵が存在し、生態系のバランスを取っているのです。

おいしい有機栽培の野菜には虫は付かない!?

 よく「有機栽培の野菜は虫食いが多い」といわれますが、それは誤解。むしろ余分な肥料や農薬などで弱った野菜は味も栄養も落ち、害虫の格好の餌食になります。一方で、有機栽培で健康に育った野菜は、丈夫で元気。すると、かえって虫が寄り付きにくくなるものなのです。

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