土とともに ‐食の未来は土とともにある‐
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毎日の食卓に、彩りと栄養を与えてくれる野菜。私たちの食べる野菜は植物のどの部分か、ご存じでしょうか?実は、とてもさまざま。たとえばトマトは、種を含めた実を食べていますし、ブロッコリーは花のつぼみを食べています。
玉ねぎを半分に切ったイラストをご覧ください。玉ねぎの球体と根の境に茎があります。不思議な形の玉ねぎですが、私たちが食べている球体は“葉”にあたる部分なのですね。
食の源でもある種ですが、野菜を育てるにあたっては、必ずしも種を畑に直接蒔くわけではありません。種から苗を作り畑に植え替えることもありますし、じゃがいもや生姜は、普段食べている茎の部分を種芋として土に植えると、そこから芽が出て育ちます。さつまいもは、根である芋から苗を作り、その苗を土に植えて栽培がスタートします。
野菜によって、必要な日射量や“良い土” “良い水”の条件も変わります。多様な野菜の個性に合わせて、その野菜が上手に育つ環境を整えるのが農業です。土から吸収した栄養と水で育つ野菜。だから土づくりにこだわり、水を大切にするのです。
日本では「有機JASマーク」が一般的ですが、世界でも野菜などに対して有機認証が行われています。中でも厳しいのは欧州で、栽培に使用される種も有機栽培であることが求められます。
ただ、どの国でも、根本にあるのは農薬や化学肥料などに頼らず、環境への負荷をできる限り減らそうという考え方。日本の場合は、「遺伝子組み換えはしない」「2年以上、化学合成された農薬および肥料を使用していない土壌で栽培する」ことなどが定められています。なお、石灰や食酢などの天然原料を栽培に使用することは認められており、これらも「農薬」に分類されます。そのため、有機農業を「無農薬」とは表現しないのです。