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ワタミオーガニック新聞 
第8回Newspaper

すべてはここから。種(たね)のことを、考えてみませんか。

ワタミファームで緑肥として使われるひまわりの芽生えの様子。

ワタミファームで緑肥として使われるひまわりの芽生えの様子。種はその実に蓄えられた養分を使い、土を持ち上げるように力強く芽を出します。

人参もレタスも、元はたった一粒の種

土の中で大きくなる人参も、青々と畑を埋め尽くすレタスも、すべての始まりは一粒の種。指でつまめるほど小さいのに、種は土に蒔かれると、根を下ろして芽を出し、葉を茂らせ、花を咲かせて実を付ける。種には命のすべてが詰まっているのです。
ただ、種は蒔けば良いわけではなく、発芽には「水分」「空気」「温度」が必要。その適量・適温は作物の種類によって異なります。中には光を嫌うものや一定の低温期間が必要なものもあり、種の発芽条件は千差万別なのです。
 

[種は条件がそろって初めて発芽します]

 
種は条件がそろって初めて発芽します

一定の条件がそろわないと種が発芽しないのは、発芽した後も元気に育つ環境が必要なため。たとえば冬の寒い時期に発芽すると、せっかく芽を出しても低温のために枯死してしまいます。種は季節の移り変わりまで念頭に置いて、発芽のタイミングを見計らっているのです。

 
作物の種は、品種改良を経て無数の種類があります。品種改良とは、植物の持つ遺伝的な性質を利用して、「病気に強い」など、目的に応じた品種を作ろうとするもの。異なる品種を掛け合わせ、それぞれの良い部分を取り入れる“交配”が広く行われています。お米なら「コシヒカリ」と「奥羽292号」を合わせた「あきたこまち」などがあり、市場に流通する農作物の大半は品種改良されたものといわれます。近年は、ブランド品種の海外流出も懸念され、“種を守る”ことが重要視されています。
また、昔ながらの種を守る意味で、「固定種」の良さも再注目されています。「固定種」は、土地ごとに長く育てられてきたもののこと。作物の性質や形が代々受け継がれています。味も形も個性的で、各地の伝統野菜の多くはこれにあたります。

一つひとつは非常に小さな種ですが、そこにはさまざまな命の情報が詰まっていて、私たちの食生活や文化にも密接に関わっているのですね。この機会に、食の源である種に、思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

 

「遺伝子組み換え」って問題なの?

大豆やトウモロコシなどで見られる「遺伝子組み換え」の技術。これも品種改良の一つですが、昔ながらの品種改良とは異なり、遺伝子組み換えでは種の遺伝子そのものに手を加えます。それにより短期間で「栄養が豊富」など、新しい性質をもつ種を作り出すことができます。ただ各メーカーや研究機関が安全性を唱える一方で、遺伝子操作による人体や環境への悪影響を懸念する研究者の声が多くあるのも実情。遺伝子組み換えは、まだまだ「安全である」とも「危険である」とも、見解が固まっていない、今後も検証が必要な技術なのです。

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