土とともに ‐食の未来は土とともにある‐
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牛乳やチーズ、すき焼きや牛丼など。普段何気なく食べている乳製品や牛肉ですが、牛がどのように育てられているかご存じでしょうか。
牛がのんびり牧草地にいる風景をイメージする方も多いかもしれません。もちろんそのように育てられる牛もいます。ですが中には、乳製品や牛肉を大量生産するために、本来の習性を無視し、半ば工業製品のように扱われている牛もいます。牛たちは牛舎に何頭も押し込められ、短い鎖で柵に繋がれたまま寝るスペースもないほど。このような飼われ方をされた牛が健康でいられるわけもなく、抗生物質を大量投与されたり、歩くことが少ないため筋肉が弱り、ささいなことで骨折したりする牛も多いのです。
乳を多く出すように品種改良し、本来草を食べる牛に、安価で高カロリーな穀物飼料を与えて大量に搾乳していること。また、多くの牛を一つの牛舎に押し込め、放牧しないことで土地のコストや手間を省き生産効率を上げていることも理由です。
そんな中、東京2020オリンピック・パラリンピックに関する報道で、「アニマルウェルフェア」という言葉が注目を集めています。近年では世界的なイベントのオリンピックの開催にあたり、環境や人権などのほか、動物への配慮も求められるようになってきました。ところが、日本の特に畜産動物への配慮のレベルはまだ低く、各国の選手たちが、「選手や関係者に提供される食材はアニマルウェルフェアに配慮したものを求める」と要望を出したのです。
「アニマルウェルフェア」とは欧州発の考え方で、動物を飼う際には、動物本来の習性に沿ったかたちで、快適に過ごせる環境を適えようというもの。家畜であっても同様で、牛や鶏もできる限り幸せに、健康に過ごせるよう飼育することが求められています。
ワタミファームでは、そうした考えに基づき牧場を運営しています。北海道の美幌峠牧場や瀬棚農場では、牧草は化学的に合成された肥料・農薬を使用しない有機的な管理方法で栽培。夏場は広大な自然をいかした放牧を行い、牛が自然な状態でストレスなく育つことを目指しています。
※「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理等」(農林水産省)より