土とともに ‐食の未来は土とともにある‐
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2011年3月、東日本大震災によって未曾有の被害を受けた岩手県陸前高田市。津波による大災害で沿岸部にあった名所・高田松原の他、川沿いの内陸部まで多くが被害を受けました。その最も被害の大きいエリアの一画でスタートしているのがワタミの新しい取り組みであるオーガニックランドの構想です。震災からちょうど10年後にあたる2021年3月から、順次営業をスタートしていきます。
ワタミと陸前高田市は震災後、会長の渡邉が参与として就任して以来、ずっと関わり続けてきました。
震災直後の復興イベントや、渡邉の経営塾を行い地元の商店経営者を支援。
2012年には地域雇用創出のため「ワタミの宅食」コールセンターを開設。
地域経済活性化の取り組みの一つとして、オーガニックランドの計画が持ち上がりました。
ワタミオーガニックランドで目指すのは、あらゆる人が集まり「未来の地球」に思いを馳せる場所。「環境」「食糧」「エネルギー」はどうあるべきか。「生命」の尊さを感じ、「生命」の驚異を学べる場所です。
津波で全て流されてしまった土地に、農地をつくる。これまでにない、本当にゼロベースでの取り組みです。だからこそ、今あるカタチにとらわれず、あるべきカタチを考えるところから始まっています。
オーガニックランドの農場で採れた野菜が施設内レストランで提供され、調理中にでた残渣は堆肥として土に戻す。レストランや農場では雇用が生まれ、たくさんの方が訪れることで地域経済も活性化。レストランで使用するエネルギーは、近くの山林の間伐材を利用したバイオマスエネルギーや太陽光。食の循環だけでなく、エネルギーや経済、雇用などの経済・資源循環も実現させます。
最新の技術では一般廃棄物を石灰石等と一緒に高温焼却することで、土壌改良や土の栄養に使える資材が手に入る技術もあるのだとか……。こうした最新技術も取り入れながら、地域に残る昔ながらの知恵と融合させ、ワタミオーガニックランドならではの循環システムの構築を目指しています。
太陽光やバイオマスエネルギーのほか、雨水や枯葉なども資源として活かす社会づくりを目指しています。
地域の食材を地域で加工・販売し、地域経済を活性化。
ワタミオーガニックランドでは、エネルギー、人、モノ、経済のすべてが地域の中で循環する持続可能モデルを構想しています。
今年7月、ワタミオーガニックランドの予定地では、土台となる土の入れ替え作業の真っ最中。ですが、本来土は、長年の自然の循環の中で育まれてきたもの。その地域その地域に特徴があるものです。外から入れた土を、陸前高田の地にどう適応させるのかも課題の一つです。本来農地に適しているのは、山の表層部分にあるふかふかの黒土表層部分。仮にこのような良質な黒土を山のふもとから運ぶとしても、一角分だけでもトラック何百台分の土が必要になるのです。「土」が自然の恩恵であることを改めて感じさせられます。
運ぶにしろ、近郊の土を活かすにしろ、まさに、“ゼロ”からの土づくり。命を紡ぐ土を目指して活動は始まったばかりです。失ってしまったもの、まだ活かせるもの、新しく生み出すもの。地域の方とともに新しいモデルをつくります。これから10年以上かけて行っていく壮大なプロジェクトです。ぜひ応援してください!
もともと陸前高田市は醤油や味噌、お酒の他ワインなど発酵食品を多く手掛けていた地域でもあります。
ワタミオーガニックランドの隣には陸前高田まちづくり会社「CAMOCY(カモシー)」が手掛ける「発酵の里」がオープンします。地域資源の活用にも共に取り組んでいます。